あなたの家の本当の予算「いくらの家を買ったらいいか?」

僕が相談を受けていて最も多いのが「いくらの家を買えますか?」という質問です。

4,000万円のローンが通ったので、4,000万円の家が買えます。

サイトでシミュレーションしたところ、4,000万円の家が買えると結果が出たから、これを目安に家を探そう。

銀行で組めるローンの金額や、サイトのシミュレーションで出てきた結果を目安に購入金額の予算を決めてませんか?

これらには最も重要な観点が抜けています。

それは「支出」です。

つまり家を買う人がどういう生活をしていて、これから何にお金を使っていきたいのか?が、銀行の審査やサイトのシミュレーションでは考慮されません。

当然、家にお金をかける優先順位が低い方の購入金額が目安より低くなりますし、他の家庭より支出が少なくて、家にお金をかける優先順位が髙い方は購入金額が目安より高くなります。

ここを間違えると「せっかく家を買ったのに生活が苦しい・・節約しないと・・本当はもっと遊びに行きたいのに・・」という何のために買ったのか分からない状態になってしまいます。。

家を買ったことがきっかけで喧嘩が増えた、みたいになりかねません。。

そして家を買う場合、多くの人は長く住むことを前提とします。

そのため、支出は「今だけではなく将来も含めて」考えるべきです。

5つのStepで解説します。

※もっと詳しく知りたい、自分で予算算出してみたい方は、著書「いくらの家が買えますか?」をご覧ください。詳細の説明と専用のワークシートがダウンロードできます。

①今の支出を把握する

まずは今どんな生活をしているか、支出を把握しましょう。

後々のために「変動費・固定費」で分けて書くと良いです。

 ・固定費:携帯電話、車、保険、Netflix等の月額支払サービス・・

 ・変動費:食費、日用品、交通費、医療費、お小遣い・・

ここでは家賃は除いてOKです。

どうしても支出を把握するのが難しい人は「一年間で貯蓄出来た金額」を調べてください。

収入から貯蓄額を引けば、支出の合計が把握出来ます。

②今使うより将来重要なものは何か?洗い出す

今お金を使うより重要なものは、予め「支出」として見込んでいきましょう。

例えば、子供がいる家庭で、子供が高校から私立に行けるくらいのお金は絶対に確保したい、といったことや、3年後500万円の車が欲しい、2年に1回は100万円くらいかけて海外旅行に行きたい、等です。

あとは家に関連することでいうと「いつまでにローンを完済したいか?」も考えておきましょう。

ちなみに会社員の方の場合は、自分の定年までに完済したい!という方が多いです。

③将来重要なものを数字にしよう

②で洗い出したものを数字にしていきましょう。

重要なのは「実現するのに年間いくらお金を貯める必要があるか?」というところまで分解することです。

例えば学資とローン返済で考えてみます。

(例1)3歳の子供をそれぞれ高校から私立に行かせたい。調べたところ、高校私立に行くために合計300万円、大学私立に行くために合計600万円必要なことが分かった。

子供が高校に入学するまでにあと13年、大学に入学するまでにあと16年時間がある。

高校の学費:300万円÷13年=年間23万円

大学の学費:600万円÷16年=37.5万円

子供の学費を準備するには、年間60.5万円いまから貯蓄していく必要がある。

(例2)35歳で5,000万円 35年のローンを組んだ。65歳時点で完済したいと思っている。

65歳時点での残債が1,000万円ほど残りそうなことが分かった。

65歳までにあと30年時間がある。

1,000万円÷30年=年間33.3万円

65歳で完済するには年間33.3万円いまから貯蓄していく必要がある。

上記の方の場合は、年間93.8万円は予め支出として見込んでいく必要があるということですね。

④いままで出したもので計算してみよう

今出した材料を基にして下記の計算すれば、いくら家に使える支出的な余裕があるかがわかります。

 収入-支出(家賃は除く)-将来の支出

ここで出てきた金額で希望の家が買える方は問題無く、その予算内で買いたい家を探しましょう。

「家にかけれるお金が残らなかった・・」

「出てきた予算では欲しい家が買えない・・」

という方は調整が必要です。

⑤優先順位に合わせて調整しよう

恐らく大多数の方は希望通りにはならないのではないでしょうか?

その場合は下記2つのアプローチで調整をしていきます。

 ①現状の改善→収入を増やす、支出を減らす、資産運用を検討する

 ②理想の見直し→住宅購入の条件、学資、車、働き方(60歳定年→70歳定年など)

調整をしていくための前提として必要なのは、「優先順位の把握」です。

優先順位を明確にするコツとして、比較をしましょう。

例えば、「60歳で辞めるために家の予算を下げる方が良いか?良い家を買うために65歳まで5年間頑張って働くことのどちらが良いか?」といった具合です。

この作業を繰り返していけば、自分たちの「家にかける本当の適正予算」が把握出来るハズです。

ちょっと面倒に思われるかもしれませんが、この作業を行うだけで、納得できる家の予算が把握出来るだけでなく、「必要な将来の準備・対策」も併せて明確にすることが出来ます。

お金に困る生活はしたくない!という方はぜひ一度考えてみてください。

シェアしてくれると嬉しいです

2件のコメント

現在家を購入することを検討している40代です。将来の支出を計算する中には、当然老後への蓄えも含まれますよね。試算することは必須だと思いますが、家を購入すること自体諦めるべきかなと思わされました。

コメントありがとうございます。
老後のことも含めて購入を考えたほうが先々焦らなくて済むかと思います。
ただ、老後資金については巷で言われているような「2,000万円」が誰しもにとって準備が必要という訳ではなく、
老後の住まい方や希望される生活、家の持ち方の工夫によって「老後に必要な資金」を極力少なくすることも可能です。
また賃貸を選択されたとしても老後に住まいにかかる資金が必要になることには変わりませんので、
必ずしも購入がマイナスに働く訳でもありません。
40代でいらっしゃるとのことで、まだ工夫によってカバーできる時間も十分にあるかと思いますので、
お悩みになられるようでしたら一度ご相談ください!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です