こんにちは!
家を買う・買った方は「繰上返済」について一度は考えたことがあるのではないでしょうか?
毎月のローンの返済額に加えて、繰上返済という形で追加でお金を払うことで、月々の返済額を減らしたり、ローンの年数を短くすることが出来ます。
昨今、ほとんどの方は35年でローンを組みます。(そして今の状況ではそれが正解です。)
しかしそうすると40歳で買った方は完済予定年齢が「75歳」になるため、定年後もローンを払い続けないといけない状態になってしまいます。
ローンがある状態って精神衛生上良くない気がするので、出来るだけ早く完済したい。
でも繰上返済ってどのくらいのペースで返済していくべきなのか?
気持ちの面はおいていいて、損得で考えると「正解」がありますので、この記事ではそれを解説します。
住宅ローン控除が適用出来るか?
まずは、住宅ローン控除がどのように適用されるのか確認してください。
住宅ローン控除で確認頂くのは大きく2つです。
①上限いくら適用できるか?
②自分の収入だと、税金でいくら還付されるか?
※詳細が知りたい方は、死ぬほど見づらいですが税務署HPの住宅ローン控除の解説
簡単な例を挙げて説明します。
この場合、住宅ローン控除がしっかり適用出来ている状態ですので、ローン残高の1%が還付されます。
そして支払う金利は0.5%で、金利も当然ローンの残高に対して計算されます。

あれ、逆にお金が増えている・・?
そうなんです。住宅ローン控除がフルで適用出来ている場合、なんとローンを組んだ方がお金が増えるんです!
つまりこの状態の場合は、繰上返済をすると損をします。
繰上返済も「選択肢の一つ」として考える
しかしそんな住宅ローン控除にも適用可能な年数があります。
では住宅ローン控除がなくなった後は、単純に金利の負担が残るので、その後からは繰上返済をしたほうがよいのか?
ちょっと待ってください!
繰上返済もあくまで「一つの選択肢」ですので、他の選択肢と比較をしましょう。
まず繰上返済のメリット・デメリットを整理します。
・メリット:“確実に”金利負担が減る
・デメリット:団体信用生命保険の金額が減る、繰上返済した後に他の用途で使えない
メリットは当然理解が出来るかと思いますが、デメリットの2つは???ですよね。。
まず「団体信用生命保険の金額が減る」という点です。
団体信用生命保険とは、ローンを組んだときに合わせてついている保険で、ローンを組んだ人が死亡した場合にローンがなくなるというものです。(銀行によって保障が手厚いものもあります!)
繰上返済は別の観点から見ると、この保険の金額を減らしてしまう行為とも言えます。
つまり、500万円頑張って繰上返済をした次の日にもし死亡してしまったとしたら、その500万円は無駄になってしまうということです。
次に「繰上返済した後に他の用途で使えない」という点ですが、当たり前だろ!と思われるかもしれませんが、これは意外と僕がお会いする方が抜けている観点で、後悔している人も多いデメリットです。
これは実際の事例ですが、子供がいる家庭で、ローンを早く返したい一心で頑張って繰上返済をして、ローンの年数を10年短く出来た家庭があるのですが、子供の学資が想定以上にかかってしまい、資金準備が出来ずに高い利率の学資ローンを利用した、というなんとも笑い話のようなケースもあります。
その他の選択肢として、例えばそのまま現金でおいておく、投資にまわすという選択肢がありますが、これらはいずれも「いつでも何の目的でも使え」ます。
つまり上記の家庭の場合は、金利の負担が増えたとしても、子供が大学を卒業するまでは「沢山の選択が出来る状態」の方が価値があったといえます。
またこれを投資にまわすと考えると、金利が例えば0.5%の場合だと、それ以上の利率で運用出来るのであれば、返済せずに投資にまわした方が得で、かつ資金の選択肢も多い状態が確保出来ます。
もちろん、“確実に”金利が減る繰上返済と比べ、“不確実”な投資でどの程度運用利回りが確保出来るか?は個々人のリスク許容度によりますので、ここはそれぞれの家庭の収支状況などを鑑みて判断が必要ですが・・
まとめ「急いで繰上返済をする必要はない」
つまり住宅ローン控除がフルに活用出来る状態の場合は、繰上返済はしないほうが良い。
住宅ローン控除が適用出来なかったとしても、様々な選択肢と比較して「確保すべき選択肢・運用利回り」の観点で最も得になる選択肢を選ぶ。
というのが今の時代の繰上返済の「正解」です。
たった一つの選択で大きな金額差になるため、「ローンは怖い」「早く返さないと」という感情面からの判断ではなく、シビアに数字で判断することをオススメします!
まぁ再優遇金利が0.4%とかの時代なので、ほとんどのケースでは繰上返済を急ぐ理由はないかと思います・・。
(例)35歳 年収600万円(所得税30万円) 新築戸建を購入し、4,000万円のローンを金利0.5%で組んだ場合
①上限4,000万円まで適用可能(年末残高×1%)
②所得税30万円+住民税10万円=40万円還付可能
この場合は最大年間40万円が税金から還付される